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出版活動・普及活動

ちりめん細工は型紙に基づいて作るため、型紙こそが生命です。ちりめん細工の世界を認識してもらい、素晴らしさを知っていただき普及するためには、これまで知られていなかった型紙の公開が必要だと感じ、日本玩具博物館の所蔵資料に基づく作品や、日本玩具博物館で研鑚されている皆さんの創作品を日本玩具博物館館長・井上重義監修により一般書店から出版すると共に、展示活動を推進しています。

出版活動

日本玩具博物館がちりめん細工の再興活動に本格的に取り組む以前の文献といえば、『伝承の古裂細工』(林芳江・須藤久美子、グラフ社刊1979年)、『ちりめんの手芸』(望月葉瑠、文化出版局1983年刊)でした。

日本玩具博物館井上重義館長は、お細工物の普及にはバイブルともいえる『裁縫おさいくもの』の復刻が必要だと痛感し、平成3(1991)年に『裁縫おさいくもの』2,000部を自費出版しました。大きな反響を呼び完売しました。

さらに、同年『私の部屋』NO.118冬号に『日本手芸リバイバル発信地・兵庫県日本玩具博物館を訪れる』として特集が組まれ、日本玩具博物館の活動が全国から脚光を浴びるようになりました。

『裁縫おさいくもの』出版後、同書が明治時代の文献であることから読みにくい、現代文の解りやすい本を出版してほしいという要望が数多く寄せられました。

そのため平成4(1992)年にマコー社から『ちりめん遊び』を日本玩具博物館井上館長の監修で出版しました。

その後、平成6(1994)年にはNHK出版からのご依頼を受けて、『おしゃれ工房』(現:「すてきにハンドメイド」)の1・8月号の巻頭に取り上げられ、その後も『おしゃれ工房』に繰り返し取り上げていただき、全国に広がりを見せることとなりました。同年9月には日本玩具博物館井上重義館長の監修で日本玩具博物館講師陣の協力を得て、同社より『伝承の布遊びちりめん細工』を出版しました。1ヵ月で再版になるなど大きな反響があり、同書は増刷をくり返し、現在も出版されています。実は、「ちりめん細工」という言葉は昔から使われていたのではなく、日本玩具博物館井上重義館長が考えた造語です。正式には縮緬の裁縫お細工物ですが、縮緬のお細工物では難しいので、「ちりめん細工」と易しい言葉を考え、『伝承の布遊び ちりめん細工』(NHK出版)以来、出版物や展覧会などで使い、それが一般化し市民権を得ました。

平成10年(1998)年にNHK出版より『ちりめん細工で遊ぶ四季』、婦人生活社から『やさしく作れる伝承のちりめん細工』を出版しました。
平成11(1999)年より、雄鶏社から『ちりめんで作る細工ものと押し絵』を始め、同12(2000)年には『四季を彩るちりめん細工』、平成15(2003)年に『和の布遊びちりめん細工』、同16年に『ちりめん細工・季節のつるし飾り』、同17年に『ちりめん細工・お雛さまと雛飾り』を出版しました。

さらに同19年(2007年)年には日本ヴォーグ社より『ちりめん細工 傘飾りと雛飾り』を出版。同社からは、その後、初心者の方でもよくわかるプロセス過程の写真入りの本が続々と出版されました。

ちりめん細工の生命は型紙にあります。古典的な作品だけでなく、日本玩具博物館講師陣による数多くの創作作品(松かさ袋、竹の子袋、菊袋、鶯袋など)の型紙を出版物で公開し、作り方も分かりやすく解説することに努めてきました。 ちりめん細工は個々の作品の制作だけでなく、作品の見せ方が問われる時代に入ったと考えています。そのために吊るし飾りなどの新しい提案(一文字棒や十文字棒、柱飾りなど)を行ってきました。

本の紹介

1991年

『裁縫お細工もの』(明治42年刊)を復刻。2005年3月絶版

『裁縫お細工もの』書影
1992年

『続裁縫おさいくもの』(明治45年刊)を復刻。2002年8月絶版

『続裁縫おさいくもの』書影

『伝承のお細工物・ちりめん遊び』(井上重義監修/マコー社)を発刊。

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『伝承のお細工物・ちりめん遊び』書影
1994年

『伝承の布遊び・ちりめん細工』(井上重義監修/NHK出版)を発刊。

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『伝承の布遊び・ちりめん細工』書影
1998年

『ちりめん細工で遊ぶ四季』(井上重義監修/NHK出版)を発刊。絶版

『ちりめん細工で遊ぶ四季』書影

『やさしく作れる伝承のちりめん細工』(井上重義監修/婦人生活社)を発刊。絶版

1999年

『ちりめんで作る・細工ものと押し絵』(日本玩具博物館編集協力/雄鶏社)を発刊。絶版

『ちりめんで作る・細工ものと押し絵』書影
2000年

『四季を彩るちりめん細工』(井上重義監修/雄鶏社)を発刊。絶版

『四季を彩るちりめん細工』書影
2003年

『増補版やさしく作れる伝承のちりめん細工』(井上重義監修/婦人生活社)を発刊。絶版

『増補版やさしく作れる伝承のちりめん細工』書影

『和の布遊び・ちりめん細工』(井上重義監修/雄鶏社)を発刊。絶版

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『和の布遊び・ちりめん細工』書影
2004年

『ちりめん細工・季節のつるし飾り』(井上重義監修/雄鶏社)を発刊。絶版

『ちりめん細工・季節のつるし飾り』書影
2005年

『ちりめん細工・お雛さまと雛飾り』(井上重義監修/雄鶏社)を発刊。

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『ちりめん細工・お雛さまと雛飾り』書影
2007年

『ちりめん細工・四季の傘飾りと雛飾り』(井上重義監修/日本ヴォーグ社)を発刊。絶版

『ちりめん細工・四季の傘飾りと雛飾り』書影
2009年

『江戸・明治のちりめん細工』(井上重義監修/雄鶏社)を発刊。

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『江戸・明治のちりめん細工』書影

『ちりめん細工 お手玉とお祝物』(井上重義監修/日本ヴォーグ社)を発刊。絶版

『ちりめん細工 お手玉とお祝物』書影
2011年

『ちりめん細工つるし飾りの基礎』(井上重義監修/日本ヴォーグ社)を発刊。

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『ちりめん細工つるし飾りの基礎』書影
2014年

『ちりめん細工つるし飾りの基礎2』(井上重義監修/日本ヴォーグ社)を発刊。

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『ちりめん細工つるし飾りの基礎2』書影
2016年

『基礎からわかるちりめん細工のつるし飾り』(井上重義監修/日本ヴォーグ社)を発刊。

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『基礎からわかるちりめん細工のつるし飾り』書影
2017年

『ちりめん細工の小さな袋と小箱』(井上重義監修/朝日新聞出版)を発刊。

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『ちりめん細工の小さな袋と小箱』書影
2018年

『季節のつるし飾りとちりめん細工』(井上重義監修/日本ヴォーグ社)を発刊。

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『季節のつるし飾りとちりめん細工』書影

展示活動

後世に伝えるために

日本玩具博物館は博物館として、文化を守り育てるための活動を真摯に展開し、ちりめん細工は古作品と新作を合わせて4000点を超える資料を所蔵しています。
また、本に発表した作品は後世に伝えるため散逸しないよう総て日本玩具博物館で収蔵保存しています。
今後も、ちりめん細工の普及と質の向上を計り、さらには社会的評価を高めるための努力を続けたいと考えています。

メディア掲載

1991年
  • 朝日新聞と読売新聞の家庭欄に大きく紹介される。
  • 『私の部屋・冬号』(婦人生活社)に「日本手芸リバイバルの発信地兵庫県、日本玩具博物館を訪れる」と題して紹介される。
1994年 NHK TV『おしゃれ工房』でちりめん細工が放映される。
1995年 『別冊太陽・縮緬古裂』(平凡社)に当館古作所蔵品が掲載される。
1996年 『NHKおしゃれ工房フェスティバル』展示協力 名古屋・川越展
1998年 『NHKおしゃれ工房フェスティバル』展示協力 東京・札幌・名古屋・大阪・広島・横浜展
1999年 『NHKおしゃれ工房フェスティバル』展示協力 福岡展
2003年 『和布くらふと vol.1』(パッチワーク通信社刊)に当館ちりめん細工作品が紹介される。
2018年 学研プラス「古布に魅せられた暮らし」誌連動及び『古布を愉しむ暮らし展』(そごう神戸店本館9階催会場)展示協力

海外でのちりめん細工ワークショップ

1994年 『PIECE WORK』(アメリカの手芸雑誌)にちりめん細工が紹介される。
1996年 Doll making conference(アメリカ・ボルチモア)でワークショップ
1998年 Doll making conference(アメリカ・ボルチモア)でワークショップ