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本物の素材~正絹二越縮緬と正絹組み紐~

明治時代の手法により現代によみがえった正絹二越縮緬の特徴

縮緬は、絹の縮み織物で、経糸(たていと)に無撚りの生糸を用い、緯糸(よこいと)に強い撚りをかけて平織りし、精練して布の表面に「しぼ」を出します。
二越縮緬は左撚りと右撚りの強撚糸を2本ずつ引き揃えたものを交互に織り込むもので、江戸時代から明治時代に織られた縮緬はこの二越縮緬でした。昭和初期に姿を消し、生産されていなかった貴重な縮緬です。
ちりめん細工には小物や繊細な作品が多く、薄くて伸縮性があり風合がある、江戸から明治期に着物の材料として作られた「二越縮緬」が好んで使用されました。

しかし、昭和初期頃から、着物用の縮緬は厚く伸縮性もなくなり、良質のちりめん細工を作るためには、薄くて伸縮性のある明治時代の二越縮緬が必要であることに気付き、その正絹二越縮緬の復元に取り組みました。
最高級の生糸で昔ながらに織るため、一日に一反余しか織れませんが、伸縮性があり、風合いに優れ、ちりめん細工の材料として最適です。
また、大きな作品や袋物には、しぼの大きい厚手の縮緬も必要なため、鬼しぼ縮緬も作りました。

明治時代の型友禅染を再現

さらに、京友禅の染屋の協力を得て、明治時代の型友禅の復刻に取り組み、江戸や明治期の絵柄を再現することにも成功しました。
単色の他に、吉祥柄(喜ばしい兆し、めでたい現れ、幸せという意味)の美しい型友禅の再現にも成功。江戸や明治期に流行した伝統的な和柄で、主に四季折々の花が描かれた模様や縁起の良い模様など約250点の柄縮緬を取り扱っています。
手作業による染めの発色の良さをご覧ください。

手作業による染めの発色の良さ

染屋の協力を得て、江戸や明治期の古典柄を復刻し、型染めしていただいています。
この動画では、京名工の一人でもある型屋での染風景をご覧いただきます。

図案の型は一色につき一版あり、多色染の場合、何十枚と型版が必要になります。
完成の図案を確認しながら、ひと送り(1リピート)ずつ順番に配色を決めて染め重ねていきます。
工場内には60~70°Cの蒸気の管が通った台が並び、その台には樹脂が塗ってあり、熱が入ると粘着性が出て、生地と台をぴったり貼り合わせて、動かないようにしてあります。型がずれていないか確認し、ポイントと呼ばれる台に取り付けた突起に合わせながら染めていく技術。
柄の継ぎ目や上下で色の濃度が変わったり線の太さが変わったりしないように、すべてに均等に力をかける技術など、高度な職人技が必要です。
夏場は50°C近くまで気温が上る工場内で、汗一滴でも落とせば汚れてしまうため、極度な集中力を要しながら染めを行います。

正絹古風江戸ちりめんの特徴

絹織物で、薄くて伸縮性のある二越縮緬を京都の老舗の染屋の協力を得て、昔ながらの手法で一反ずつ染めたものを『正絹古風江戸縮緬(こふうえどちりめん)』と名付けて販売しています。
ちりめん細工に古布が使われるのは、廃物利用という観点からだけでなく、風合いがあり、薄くて伸縮性があり、縫いやすいからです。しかし、古布は高価であり、入手も困難です。
そのため、江戸時代から明治時代にかけて織られた、薄くて伸縮性のある「江戸ちり」とよばれる二越縮緬を再現しました。
二越縮緬は細かいしぼで、その柔らかな手触りが魅力です。

無地は、二越縮緬(しぼが小さく薄手)と鬼しぼ縮緬(しぼが荒く大きい)の2種類で、それぞれ32色ご用意しております。
また、単色柄は約120色柄、多色柄は約80色柄をご用意しております。
四季折々の豊かな自然に恵まれた日本で、伝統文化や技術が脈々と受け継がれ、長い歳月をかけて育んできた和柄です。縁起が良いとされる宝物などが描かれた吉祥柄です。

単色柄は、小さな細工物用のため、小柄が中心です。多色柄は、1つの柄においても、型紙の配置によって、多くの色柄をお楽しみいただけます。
但し、昔ながらの手作業による生産のために大量生産ができません。

また、縮緬は同じ製品でも季節や気候による影響を受け、色合いに濃淡がでる場合がありますこと、予めご了承ください。

古布

ちりめん細工に古布が使われるのは、廃物利用という観点からだけでなく、風合いがあり、薄くて伸縮性があり、縫い易いからです。
しかし、古布は高価であり、入手も困難です。

復刻した「正絹古風江戸縮緬」

  • 女性が好む、落ち着いた優しい風合いが人気です。
  • 現在の着物は伸縮性がないが、この正絹二越縮緬は伸び縮みするので、ちりめん細工の材料に適しています。
  • 目が細かく薄い → 綿で形状を変化しやすい → 秀でた作品ができます。
  • 高度なスキルが要求される細かな加工ができます。
復刻した「正絹古風江戸縮緬」(多色柄)
復刻した「正絹古風江戸縮緬」(無地)
※薄く、優しい風合い

ちりめん細工用に特注した「正絹の特殊堅牢染打ちひも」特徴

「組紐(くみひも)」は古くから、巻物、袈裟(けさ)、礼服、甲冑(かっちゅう)などに使用された、日本の伝統工芸品の一つです。丸台、角台、綾竹台、内記台などの組台により、百種類以上の組方ができます。
特に、この内記台は、今ではたいへん珍しく、内記台によって組まれた帯締めは適度な伸縮性があり締めやすいのが特徴です。
また、堅牢染という染色は、色落ちしにくく長期間きれいな色を保てるのが特徴です。